月1,000円以下でスマートフォンを使える時代に!

料金や通信速度、機能などから比較し、格安SIM選びをサポート

SORACOMのポイントと評価・評判

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クラウドベースで各種機能を提供するIoTプラットフォーム

株式会社ソラコムが提供するIoT向けプラットフォーム。サービスは大きく分けて、SIMカードの提供およびその管理機能を提供する「SORACOM Air」と、データ通信の一部の機能をクラウドにオフロードすることで、よりセキュアな通信とスムーズな管理を可能にする「SORACOM Beam」の2つから構成される。さまざまな機能をAPIで呼び出せるのも大きな特徴。SIMに加えてIoTに欠かせない機能がセットになった、業界でも注目度の高いサービスである。

回線docomo

SORACOMのプラン

基本料金

  • アクティベーション前:5円/1日
  • アクティベーション後:10円/1日

従量課金 通常時間帯(日本時間 午前6:00-翌 午前2:00)

従量課金 深夜時間帯(日本時間 午前2:00-午前6:00)

初期費用

  • 直販で購入する場合:契約事務手数料 560円
  • Amazonで購入する場合:価格 880円

(送料含まず)

SMSオプション

SIM1枚ごとに 5円/1日

通信制限

なし

SORACOMの特徴、他社との比較

SORACOMは、IoTのデータ通信のためのプラットフォーム。SIMカードおよびその管理機能を提供する「SORACOM Air」と、通信に関する便利な機能を提供する「SORACOM Beam」の2つのサービスから成っている。

基本料金+従量課金で使える「SORACOM Air」のSIMカード

SIMカードは「Air SIM」と呼ばれる。IoTデバイス向けで、標準SIM/microSIM/nanoSIMの3種類のサイズに対応。直販またはAmazonで購入できる。

料金は初期費用の他、基本料金と従量課金から構成されている。

初期費用は、直販の場合はSIM1枚あたり560円+送料。Amazonの場合はSIM1枚あたり888円+送料。直販・Amazonのどちらでも1枚から購入できる。SIM1枚あたりの初期費用は決して高くないため、スモールスタートに適している。

基本料金は1日ごとにかかる。登録直後(アクティベーションの手続きを行うまで)は1日5円、アクティベーション後は1日10円。なおSMS機能付きSIMの場合はさらに1日5円が追加される。また一定以上の回線数を所定の期間契約することで「ボリュームディスカウント」を適用することができ、基本料金の割引を受けることも可能となっている。

従量課金は通信量に対してかかる。またプランを、それぞれ通信速度の異なる4種類「s1.minimum」「s1.slow」「s1.standard」「s1.fast」の中から選ぶことができる。「s1.minimum」が32kbpsと最も遅く、「s1.fast」が2Mbpsと最も速い。

従量課金の料金は通常時間帯(日本時間の午前6時〜午前2時)と深夜時間帯(日本時間の午前2時〜午前6時)で変わる。通常時間帯の料金は、上り通信の方が下り通信より安いほか、通信速度が遅いプランは料金が安く、速いプランほど料金が高いという特徴がある。そして深夜時間帯の料金は、全体的に通常時間帯よりも安く済む。また料金は全プランの下り・上りとも同じだ。

デバイスの用途にもよるが、できるだけ深夜に通信するようにすればそれだけ通信費を削減することができる。

ちなみにs1.minimumの深夜時間帯には、無料利用枠も用意されている。SORACOMアカウントの作成から12ヶ月間(作成した月を含む)は、1アカウントにつき(1 SIM ではない)s1.minimumの深夜時間帯で150MBに相当する分の通信料が毎月無料となる。実験には最適だろう。

管理画面でSIMカードの設定、監視が可能

ユーザーコンソール(管理画面)で、Air SIMの設定やデータ通信の監視を行うことができる。多数のSIMを一括で管理できるのがGOOD。

SIMの通信をON/OFFしたり、通信速度を変更したり、SIMごとのデータ通信状況に異常が見つかった時は何らかの措置を行ったりと、IoTサービスの運営にあたってよくお世話になることだろう。

データ通信の接続先の切り替えが可能

そして「SORACOM Beam」によって、IoTデバイスにおける通信を制御しやすくしたり、負荷を軽減させたりすることができる便利な機能が提供される。

通信の制御に関する機能としては「接続先の切り替え」がある。これにはエントリポイントが用いられる。

手順としてはこうだ。まずはユーザーコンソールでエントリポイントを作成しておく。エントリポイントには「このエントリポイントに接続されたら、どこ(プロトコル、ホスト名、ポート番号)に接続を切り替えるか」を設定しておく。この設定は後からいつでも変更ができる。

そして、IoTデバイスからの接続先はそのエントリポイントに設定しておく。

こうすることで、もし将来的にIoTデバイスからの接続先を変更したくなった場合でも、エントリポイントの設定を変更するだけで済み、IoTデバイスの設定変更は不要になる

一見、何でも無さそうな機能に思えるが、IoTデバイスの設定変更は実際にIoTサービスの開始後に行おうとすると大きなコストとなり得る。それが解消できるのはメリットだ。

また接続の切り替え先は1ヶ所に限らず、複数のAir SIMをまとめたグループ単位で別々に設定することが可能。用途や納入先などで設定を分けるなど、柔軟に対応できる。

暗号化処理もIoTデバイスから切り離せる

負荷の軽減に関する機能としては「暗号化処理のオフロード(暗号化処理をSORACOM Beamに受け渡す)」がある。

例えはIoTデバイスからサーバーにHTTPSでセキュアな通信を行いたい場合、IoTデバイスから直接サーバーに接続する代わりに、IoTデバイス−Beam間はHTTPで、Beam−サーバー間はHTTPSで通信させる。間にBeamを挟み、SSL/TLSによる通信をBeamに受け渡す形となる。

IoTデバイス−Beam間は暗号化無しのHTTPとなるが、この無線通信部分はキャリアによる強固な暗号化が施されているので大丈夫。

暗号化処理は負荷の高いものである。IoTデバイスから直接HTTPSによる通信を行おうとすれば、IoTデバイスに大きな負荷がかかることは必至だ。SORACOMを使えばその問題も解決してくれる。IoTデバイスを稼働させるための貴重なリソースの消費を抑えることができる。

API制御可能

SORACOMのもう1つの大きな特徴として、さまざまな機能をAPIで制御できるというものがある。

ユーザーコンソールで行えることはほとんどすべてAPIで行える。SIMの解約まで可能だ。プログラムにより、運用上の多くの部分を自動化することができるだろう

サーバーのリソースをAPIで制御できるAWS(Amazon Web Service)がクラウドとして大きなインパクトを与えたように、このSORACOMもIoT業界にインパクトをもたらす可能性がある。

AWSを利用

これまで書いたSORACOMのプラットフォーム自体もAWSのクラウド上に構築されている。そのため、同じAWS上に構築されているシステムとの親和性が高い

IoTサービスはAWS上に構築すると良い。SORACOMとの通信においてインターネットを経由することが無くなり、スムーズなやりとりが実現できる。

SORACOMの評判・評価

IoTのプラットフォームとして登場したSORACOMは間もなく、多くのエンジニア達の心をつかんだ。

エンジニアによる技術実験のブログ記事はネット上にたくさん見つかる。Raspberry Piと組み合わせたものも多い。技術的に興味のある方はそれらをチェックし、そして試してみるのも良いだろう。また都内ではデベロッパーカンファレンスも開催され、盛況であった。

運営会社が開設しているパートナースペース「SORACOM Partner Space (SPS) 」にはすでに多くの企業が参加している。パートナー向けの説明会ではSORACOMの解説とともに活用事例も紹介された。

業界内での評価も高く、運営会社のCTO(最高技術責任者)はTechCrunch Tokyo 2015 CTO of the Yearを受賞。

広まりつつあるIoTの世界の中でも、目が離せない存在となっている。

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