特定アプリのデータ通信量がカウントフリーになる格安SIMを比較
通常、スマートフォンやタブレットを使って高速データ通信を行えば、プランで既定(月間/日間)のデータ通信量を消費するわけだが、「カウントフリー」(ゼロレーティング)が採用されているSIMであれば、対象のアプリによる特定のデータ通信が、既定のデータ通信量を消費すること無く利用することができる。
対象アプリは各社で異なる。データ通信量が多く、利用頻度の多いアプリがカウントフリーの対象になっていれば、それだけお得度は高いだろう。
逆に言えば、本当にお得であるかどうか判断するには、対象アプリによるデータ通信量がどれだけあって、カウントフリーによってどれだけ節約することができるのかをキチンと把握しておく必要があり、なかなか難しい。
以下に具体的に例を挙げて解説しつつ、比較してみた。
各SIMの比較・解説
LinksMate

ゲームプレイヤーのためのSIM。ゲーム内特典をゲット!
サイバーエージェントグループでCygamesの子会社、株式会社LogicLinksが提供するMVNOのモバイル通信サービス。対象アプリによるデータ通信量を90%以上減らすことのできる「カウントフリーオプション」や、対象ゲームと「連携」してゲーム内アイテムを入手できる特典が用意されており、スマホゲームで遊ぶ方にぴったりの格安SIMだ。
「カウントフリーオプション」はLinksMateの大きな特徴の1つ。かなり多くのゲームアプリ、コンテンツアプリが対象になっており、それらによるデータ通信を90%以上OFFにすることができるぞ。
まずゲームは「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」「アズールレーン」「あんさんぶるスターズ!!Music」「荒野行動」「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」「メメントモリ」「モンスターストライク」他多数が対応している。
コンテンツアプリも「AbemaTV」「AWA」「OPENREC.tv」「niconico」「Mirrativ」「U-NEXT」「Lobi」他多数に対応。動画や音楽を楽しめるアプリまで入っているのがGOOD。
SNSは「Instagram」「Twitter」「Facebook」に対応。また、AppStoreやGoogle Playでも上記アプリのダウンロードやアップデート、決済処理がカウントフリーとなる。
「カウントフリーオプション」の月額料金は550円。LinksMateを契約するならぜひつけておきたいオプションだ。
OCN モバイル ONE

格安SIMの本命。OCNブランドの安心感!
NTTコミュニケーションズが提供するMVNO通信サービス。高いシェアを誇る有名プロバイダだけあって、この格安SIMも優れたサービスとなっている。選べる高速データ通信量は3〜4種類とやや少なめだが、バースト機能、専用アプリ、使いやすいかけ放題など機能面は完備しておりコストパフォーマンスは高い。光サービスの「OCN 光」やIP電話の「050 plus」との組み合わせもGOOD。今後もさらに利用者が増えそうな、格安SIMの本命の1つだ。
OCN モバイル ONEはカウントフリー機能の先駆けだ。
NTTコミュニケーションズが提供しているIP電話の「050 plus」、オンラインストレージの「マイポケット」、それから「OCN アプリ」については申し込み不要、追加利用料も不要でカウントフリー対象となっている。
それに加えて「MUSICカウントフリー」と呼ばれるカウントフリーサービスがある。以下の音楽配信サービスのアプリ7種類が対象で、こちらも追加利用料は不要だ。
- Amazon Music
- AWA
- dヒッツ
- LINE MUSIC
- Spotify
- TOWER RECORDS MUSIC
- ひかりTVミュージック
OCN モバイル ONEの契約後に公式サイトから申し込みを行えば有効になる。音楽配信サービスを日常的に使っている方は使ってみる価値はあるだろう。
LINEMO

LINEモバイルに代わって登場の新ブランド!
SoftBankのオンライン限定プラン。20GBプランに加えて3GBプランを追加し、これまでMVNOが展開していた容量帯にまで攻めにかかる。他社には無いメリットとしては「LINEギガフリー」があり、LINE(一部機能を除く)による通信量がカウントフリーになる。また今秋にはLINEスタンプのサブスク「LINEスタンププレミアム(ベーシックコース)」が追加料金無しで利用可能になる予定。
「LINEギガフリー」はLINEMOに標準でついている機能の1つで、その名の通りLINEがカウントフリーになる機能だ。
対象となる機能としては、トーク機能はもちろん、なんと音声通話・ビデオ通話も対象である。普通に使えば割とすぐに数十〜数百MBに達してしまうビデオ通話がデータ消費量0で使うことができるというのは非常にありがたい。
他には、画像・動画の送受信やLINE VOOMへの投稿なども対象となっている。LINEのヘビーユーザーの方はぜひ。
BIGLOBEモバイル

サービス内容、品質ともに十分。堅実なサービス内容!
BIGLOBEモバイルは、KDDIグループとなったビッグローブが運営するMVNOのモバイル通信サービス。ロゴマークのキャラクター「びっぷる」がかわいい。プランは音声通話あり・なしでそれぞれ5~6種類から選ぶことができる。通話サービス「BIGLOBEでんわ」の通話定額オプションや、YouTubeを始めとするエンタメ系アプリがカウントフリーになる「エンタメフリー・オプション」などが提供されているのが魅力。明確なターゲットで堅実なサービスが持ち味だ。
オプションの「エンタメフリー・オプション」が利用できる。今までは3GB以上のプランでしか利用できなかったが、2021年10月からは1GBの「プランS」でも利用できるようになったぞ。
2021年10月時点の対象アプリは以下の通りだ。メジャーなアプリも多く入っておりGOOD。
- YouTube
- AbemaTV
- U-NEXT
- YouTube Kids
- YouTube Music
- Apple Music
- Spotify
- AWA
- Amazon Music
- LINE MUSIC
- radiko
- らじる★らじる
- dヒッツ
- 楽天ミュージック
- dマガジン
- dブック
- 楽天マガジン
- 楽天Kobo
- Facebook Messenger
- au PAY マーケット
これらのアプリで動画や音楽を読み込んだときの通信量がカウントされなくなる(アプリによっては一部機能が対象外)。
動画や音楽はデータ量の大きいコンテンツなので、これらがカウントフリーとなればその効果は高い。
音声通話SIMの場合は月額308円、データSIMの場合は月額1,078円のオプション料金はかかるが、対象アプリのコンテンツを思いっきり楽しみたい方におすすめだ。
nuroモバイル

格安かつシンプル。SoftBank回線・au回線も選べる!
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が提供するMVNOのモバイル通信サービス。プラン構成がたびたび変わる妙なSIM。現在はVS・VM・VLというシンプルでわかりやすいプランと、月20GBのNEOプラン、そして格安の「お試しプラン」が用意されている。
プランによってはカウントフリー機能が標準でついている。
「VMプラン」「VLプラン」で使える「バリューデータフリー」ではLINEがカウントフリー対象となっている。
「NEOプラン」で使える「NEOデータフリー」ではLINE・Twitter・Instagram・TikTokがカウントフリー対象となっている。
いずれも追加料金はかからない。利用頻度が多いであろうアプリが対象ということで、カウントフリーの恩恵を受けられる方は多いだろう。